2009年3月20日 (金)

帰化後の相続証明などについて

司法書士の間で、在日韓国人の方の相続登記、とりわけ親子ともども帰化されている方同士の相続登記が最近やりにくくなっていると聞きます。

被相続人たる父親が韓国で亡くなられていた場合であれば、相続人の子からその父親の除籍登記簿謄本を本国から取り寄せてもらえば済む話ですが、相続登記がやりにくいというのは父親が日本に帰化した後に亡くなられた場合です。

以前は、こんな場合でも民団を通じて本国の除籍謄本を取り寄せてもらっていたのですが、最近は韓国の自治体もプライバシーの保護が強化され、実の親子であってもすでに帰化して外国人となっている場合は子から親の除籍謄本の取り寄せ請求が出たとしてもこれに応じる本国での自治体が減っているとのこと。

親子ともども日本に帰化されている方も多いでしょうが、帰化後に父親が亡くなると、普通は子から父親の住んでいた日本の自治体に死亡届が出され、それで戸籍手続きは完結したものと思ってしまいますよね。

この死亡届はあくまで日本における戸籍取り扱い事務に過ぎませんので、帰化前の国家(仮にこれを『本国』と呼ぶとして)の自治体に連絡が行くようにはなっていません。

そのため、父親が亡くなったことは本国では分からないわけで、相続を理由に除籍謄本の請求をしても本国の自治体ではそのような理由では大事なプライバシーを含む情報は提供できない・・・と言われるケースが出て来ているようです。

こんな場合はどうしたらよいのでしょう。

考えられるのは、まず子から本国に向けて本国にある父親の戸籍簿に父親が死亡した旨の記載をしてもらうようアクションを起こすことです。

具体的には、子が父親の除籍謄本をもって領事館に行き、父親の死亡した事実を告げて、本国の戸籍簿に死亡の事実を記載してもらうことです。

それまではとにかく待つしかありません。

ただ、早く相続登記をして不動産を処理したいんだという事情があるような場合、相続登記の段階で相当な時間のロスが発生する可能性があります。

なお、本国において相続人の一人でも帰化前のヒトがいればその人から自治体に死亡の事実を申し出るようにすれば比較的早く解決すると思われます。

但し、死亡以外の理由でもって本国から父親の戸籍謄本を受け取るという方法も不可能ではありませんが、不正入手になるので私としてはお薦めできません。

帰化歴のある方が亡くなられた場合には、本国での戸籍記載もその都度申告修正しておかれるよう注意が必要です。

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最近は登記関係でもグローバル化が進んでいます。

上記のケース以外でもよく問題になるのが、相続人や売主さんが海外居住歴のある人です。

戸籍の附票には単に『◎◎国に転出』と記載されるだけで正確な住所地が記載されないケースが多く、住所沿革に支障が出る場合があります。

住所のつながりが途切れてしまうと、我々司法書士も本人確認に時間がかかってしまいます。

せめて、海外転出組の転出先についても正確な住所地を登録しておくべきでしょうが、行政区分や名称も国ごとに異なりますのでそれも難しいのかな。。。

いざ相続が発生してからでは間に合わないこともありますので転居歴の多い方はその都度住所移転の登記だけでもされておかれたほうがよいかと思うこの頃です。

2008年11月12日 (水)

国籍法改正で準正を受けない子の日本国籍の取得が可能に!

☆国籍法改正について

 今国会において法改正される見込みです。

 先日、最高裁は、結婚していないフィリピン人の母と日本人の父の間に生まれ、出生後に父親から認知された10人の子が日本国籍を求めた訴訟の判決で、両親の結婚を国籍取得の要件とした国籍法の規定を違憲としました。

 理由は、現行国籍法では、両親が結婚してしまえば準正によりその子も当然に日本国籍の取得が認められて来たのに比べて、何らかの理由(母が子を残して本国に帰ってしまったり、不法滞在が発覚した母親が本国に送還されたり、母が亡くなったり、父が既婚者だったり・・)で、両親が結婚できない場合、その子は当然には日本国籍の取得ができないものとされていたのです。

 但し、一つだけ例外が。。こんな場合でも、父が胎児認知(出生前に認知)をしていれば子は当然に日本国籍を取得するのですが。

 日本国籍がないと日本の公立学校には行けません。それどころか、特別に在留許可がない限り不法滞在となって、母の本国に送還されてしまいます。

 日本で生まれ、日本で育って、日本語しか話せず、血は半分といえども日本人の父親の血が流れているというのに外国に強制送還される運命にあるのです。

 もちろん、普通の帰化手続きによって日本国籍を取得することも可能は可能でしょうが、5年間の滞在期間が必要ですし、その期間満了前に不法滞在が発覚するということもあるでしょう。

 たまたま両親が結婚できたかできなかったかというわずかな違いだけで、何の責任もない子の国籍の取り扱いを異にするのも『法の下の平等』という観点からすれば確かにおかしかったわけです。

 今回の国籍法改正は、この判決を踏まえたものです。

 この法改正により、今後は、両親が結婚していなくても日本人の父親がわが子であると認知すれば出生後の認知であっても、認知された子供は日本国籍の取得が認められることになります。

 父親が意図的に認知してくれない場合は強制認知と言う裁判手続きを踏みます。この確定判決が認知の代用となります。

 法改正後に生まれた子はもちろん、2003年1月以降に母親の婚外子として届け出をしていた子にも適用がありますので就学前の児童もあきらめずに国籍取得の相談をしてください。

 また、「偽装認知」による不正な国籍取得を防ぐため、うその届け出には罰則(1年以下の懲役か20万円以下の罰金)を新設するのだそうです。

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☆国籍に関する届出

 国籍に関する届出・申請は、本人が15歳未満であるときは法定代理人(親権者等)が代わって行うこととされている。15歳以上の場合は、未成年者であっても本人が直接届出や申請等を行わなければならない。

 国籍選択等の手続について、15歳未満の者について親権者が単独で届出することができることについては、本人の国籍に関する自己決定権を害するのではないかという懸念もないわけではないとの意見もあります。

 私なんかはこんなに科学分野が進んでいる時代に、未だに認知の申請手続きは本人の自主申告の意のまま。DNA鑑定もせずに申請してしまえることもおかしいような気もしますが。

 なおこの届出は、法務大臣への届出が必要です。届出時に国籍取得となります。窓口は法務局。これら申請書類の作成や強制認知の裁判手続きについても私たち司法書士の業務ですので、いつでもご相談下さい。

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この際ですから

少し『日本国籍の取得要件』についておさらいしておきましょう。(以下はウイキペディアより引用)

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日本国籍を取得する方法は次の三つです。

①出生②準正③帰化

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①出生による国籍取得(国籍法第2条)

 要件

1 出生の時又は日本国民であるとき  

  • 父のみが日本国民である場合は、父母が法律婚をしている場合か、父が胎児認知(出生前に認知)をすることを要する。出生後に認知をした場合は今回の法改正の対象となります。

2 出生前死亡した死亡の時に日本国民であったとき

3 日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき

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②準正による国籍取得(第3条)・・・今回改正されるのはこの条文です。おそらく追加条項が設けられるでしょう。

 注意・・・法務大臣への届出が必要です。届出時に国籍取得となります。

 『父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子20歳未満の者(日本国民であったものを除く)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であった場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であったとき例えば、父のみが日本国籍を有する場合で、出生時に父母間で法律上の婚姻関係がなかったが、出生後に法律婚をして、子を認知した場合で子が未成年の場合に子は届出により日本国籍を取得することができるというもの。)』

追加条項(条文の表現は私が勝手に推測したものです。誤解なきよう。)

 『日本人父と外国人母の子で生前認知を受けてない子は、父母の婚姻の有無にかかわらず、父の認知を受けるかあるいは強制認知の確定判決を得て法務局で法務大臣宛てに国籍取得届を提出する方法により日本国籍を取得する。』

 ただ、この場合、国によっては国籍取得届の提出とともに外国籍を自動喪失する場合があるので注意が必要です。

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帰化による国籍取得(第4条~第9条)

 帰化には、普通帰化(第5条)・簡易帰化(第6条~第8条)・大帰化(第9条)の三つがあります。

 詳細はこの次ということに。

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あーあ、今回の記事はやたら漢字が多くて読みづらくなっちゃったなあ。

法律記事の引用はこうなるから一般受けしないんですよねー。